梅酒の作り方でおいしい仕上げに。砂糖なしで甘さ控えめの費用は?
今や完全に市民権を得た梅酒。コンビニやスーパーで手軽に購入することができます。
ホワイトリカーで作られるのが基本ですが、ブランデー仕込み、ウイスキー仕込みなど、
いかにも工夫好きの日本人らしい感性で作られたものも沢山出ています。
更には、体重を気にする人たちにも楽しんでもらおうと、
カロリーオフ梅酒やノンアルコールの梅酒まであります。
でも、市販の梅酒は甘すぎる、と感じている人が多いようです。
もっと甘くないのを自分で作れないか…。
実はそれ、少し手間がかかるんです。というのは…
目次
梅酒の作り方でおいしいのできる?
梅酒の基本中の基本の分量は「梅1キロ、ホワイトリカー(焼酎35度)1.8リットル、氷砂糖1キロ」。
氷砂糖1キロは何と3800カロリー。
何故こんなに多いのかと言うと、多ければ多いほど浸透圧の関係で、
短期間で梅のエキスが出やすくなるからなのです。
逆に、氷砂糖が少なければ少ないほどエキスが出るのに時間がかかってしまいます。
実験をした人によると、
糖類を全く入れずに作ってみると5年たってもエキスが充分出ていなかったそうです。
ですから、最低でも500g、できれば700g程度入れたほうが失敗なく作れるのです。
さらに、甘くするのに氷砂糖を使用するのにも意味があります。
まずは味。純度が高いのでくせがなく、飲みやすくなります。
そして、溶けにくいので、アルコールの度数がなかなか低くならず、梅を充分に殺菌できるのです。
早く溶けてしまうとアルコール度数が低くなるばかりでなく、比重の関係で梅が浮かび上がってしまいます。
空気に触れる所が多くなるのでカビやすくなりますし、
アルコールに触れていない部分からはエキスが出ませんから、梅の風味が弱くなってしまいます。
水飴など水分を含んでいる糖類は普通の砂糖類以上に急激にアルコール度数が低くなりますから、
最も失敗しやすいと言われています。
アルコールは、35度以上あるものが良いとされています。
それ以下になると梅のエキスが出にくくなりますし、保管する時も冷蔵しないとカビがはえてしまうことも。
梅酒は常温で保管したほうが自然に熟成し美味しくなるので、
冷蔵庫に入れなくてはいけないような度数のアルコールは、
特に慣れていないうちは避けたほうが無難です。
まずは、基本中の基本の作り方を覚えましょう。
・梅の選び方
スーパーなどで購入する時は、袋の中が蒸れていないものを選びましょう。
出来るだけ大きな実のものを。出始めの頃は未熟な実の場合が多いので、焦って買わないこと。
シワやキズのない、ツヤがあるものを選ぶこと。
シワがあるのはまだ熟していないうちに収穫されたもので、表皮が乾燥しているのです。
青っぽい梅で作ると瑞々しい味わい、黄色がかったものだと香りが高く出来上がります。
用具の殺菌
熱湯消毒しておきましょう。ガラス製の瓶などを使用する時は、
35度以上のアルコールで拭くと、同様の殺菌になります。
2~3年熟成させたい場合は必ずガラス瓶にしましょう。
プラスチックは空気を通すため、長期熟成には向きません。
梅の下ごしらえ
・梅を水洗いします。この時決して傷つけないよう、丁寧に洗って下さい。
・その後、アク抜きをします。青い梅は2~3時間程度、黄色がかっているものはアク抜きは不要です。
やり過ぎると茶色くなってしまうので、注意して下さい。
・ザルなどに広げ、日陰で乾かします。アルコールを上手く浸透させるため、水分を出来る限り飛ばします。
・最後に、くぼみなどに残っている水分を丁寧に拭き取ります。
ここでどれだけ水分をなくせるか、に成功がかかっていると言っても過言ではありません。
・梅の軸(ヘタ)を竹串などで取り除きます。きれいに取れると雑味がない梅酒ができます。
ここで傷つけてしまうと出来上がりが透明にならないことがあるので慎重に。
梅の成分をよく出したいから、とわざと穴を開ける人もいますが、その必要はありません。
梅酒の仕込み
さきほど殺菌した瓶に梅→氷砂糖→梅→氷砂糖→ホワイトリカー(焼酎)の順に入れていきます。
ホワイトリカーを入れる時は、ゆっくり丁寧に、回すように注いで下さい。
氷砂糖が溶けきるまで、毎日1回やさしく回して混ぜて下さい。
梅の取り出し
これは好みによって色々です。
3ヶ月もすれば梅のエキスの大半が出ていますから、充分美味しい梅酒になっています。
ただし、氷砂糖を基本の量(1キロ)より減らした場合、
エキスが出にくいのでもう少し長めに入れておいた方が良いでしょう。
梅を入れたままにすると、種の味が溶け出し、少し濁って来ます。
実から出たエキスがまた実に戻るので、実が美味しくなります。
梅酒の作り方 砂糖なしで甘さ控えめにするには?
でも、氷砂糖は高いし、余っても他に使い道ないし…と思っている方もいらっしゃると思います。
これまで述べたように、氷砂糖を多量に使うのは、ちゃんとした理由があるのです。
氷砂糖がゆっくり溶けることによって、まずは梅の香りを、
次に香り以外の旨みを少しずつアルコールに溶かしていくのです。
ですから、他の砂糖類を使う場合は、この「ゆっくり」を手作業で作り出す必要があります。
1、出来るだけ砂糖を溶かさないよう、あまり混ぜないようにする
2、最初に入れる砂糖を1/3に減らし、1週間ごとに1/3を上から入れる
梅酒を作るのは6月頃ですから、気温がどんどん高くなる時期。
何もしなくても砂糖が溶けやすくなりますから、2の方が確実です。
それが出来れば他の砂糖でも大丈夫ですが、味わいは変わります。
また、砂糖が下に沈んで固まってしまうと
ずっと溶けなくなってしまうことがあるので、気をつけて下さい。
・グラニュー糖は氷砂糖の未精製状態のものです。
かすかなくせがあります。
・黒砂糖はコクと渋みといった独特のクセが出ますがミネラルは豊富なので、
健康志向の方にはお勧めです。
甘さが強いので、氷砂糖より量を減らします。
・果糖は砂糖とカロリーは同じですが非常に甘みが強く砂糖の約1.5倍。
砂糖の7割程度で済むのでダイエットに最適と言われます。
またエキスを溶かし出す力が強いので、1ヵ月程度で飲み頃になります。
防腐効果も砂糖以上と言われています。
・ハチミツの場合は氷砂糖よりさらに溶けにくいので、
毎日必ず振るようにすると、とてもまろやかに出来上がります。
氷砂糖よりエキスが溶けるのに時間がかかるので1年ほど置くと、コクが出て非常に美味しいです。
砂糖の7割~同量入れて下さい。若干濁った出来上がりになります。
精製されていないため、カビが生えやすいので気を付けましょう。
・糖質制限中の方は、砂糖の代わりに甘味料を同じように使えばできます。
量は砂糖の甘さと比較して計算して下さい。
砂糖が入っていないため腐りやすいので、必ずアルコールは35度以上のものを使いましょう。
ただ、人工甘味料は今その安全性が疑われていますので、
ダイエット中でも多量摂取は控えたほうが良いかもしれません。
梅酒の作り方 費用はどれくらい?
価格は、日新製糖を例に取ると普通の白砂糖(¥282/kg)、グラニュー糖(¥308/kg)、三温糖(¥334/kg)、白ザラ糖(梅酒・果実酒用)(¥371/kg)、果糖(¥572/kg)、氷砂糖(¥658/kg)、きび砂糖(¥410/750g)黒砂糖(¥388/300g)となっています(全て税込・定価)。
はちみつはピンキリですが、混じり物のないものだと1kgで¥1,200程度はするでしょう。
人工甘味料は色々ありますが、パルスィート600gで¥800、ラカントS800gで¥2,000と割高。
梅も、スーパーのものからお取り寄せまで価格には大きな差がありますが、
良いものはお取り寄せで1kg¥3,000以上します。
スーパーや八百屋では2Lサイズ1kgが¥500前後程度。
サイズはM~4Lくらいまであります。あまり大きいと水分含有量も多くなり、
アルコールが薄まるのが早いためエキスがうまく溶け出ないことがあります。
最初のうちは2L程度が扱いやすくてお勧めです。
ホワイトリカーは果実酒用35度、1.8L入りが紙パックで¥1,200~¥1,500。
キリンや宝酒造で扱っています。
1.8L分を作るのにかかる大体の費用は、砂糖類700g使用するとして、
・梅(八百屋/¥500)+ 白砂糖(¥200)+ ホワイトリカー(¥1,200)=¥1,900
程度が最低ラインということになります。
できれば白ザラ糖(梅酒・果実酒用)を使用したほうが、
100円前後の違いで失敗が少なくなり、手間もかかりません。
なお、砂糖類は劣化しないので、余った白ザラ糖は次の年用に保管しても大丈夫です。
最初はスーパーで揃うもので、あまり砂糖類を減らさず少量作ってみることをお勧めします。
基本をまずは押え、慣れたら次の年からどんどんチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
なお、出来上がりの度数は20~25度。
甘めに作るとついついたくさん飲んでしまいがちですが、結構度数があるのです。
氷や炭酸、お湯などで1:1で割ってもワインと同程度ですから、飲み過ぎには注意して下さいね。
YouTubeに梅酒の作り方が丁寧にあったので載せておきますね。
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